人生80年時代の生涯生活設計(12)〜分かっていても定年前に生涯生活設計を計画するのは困難〜 |
分かっていても定年退職前に退職後の生活や仕事を計画すること(生涯生活設計)は困難 |
※法律全文はhttp://law.e-gov.go.jp/htmldata/S46/S46HO068.htmlを参照して下さい。
■ 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年五月二十五日法律第六十八号)
最終改正:平成一九年六月八日法律第七九号
(定年を定める場合の年齢)
第八条 事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。ただし、当該事業主が雇用する労働者のうち、高年齢者が従事することが困難であると認められる業務として厚生労働省令で定める業務に従事している労働者については、この限りでない。
(高年齢者雇用確保措置)
第九条 定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。
一 当該定年の引上げ
二 継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入
三 当該定年の定めの廃止
企業で働いている誰もが、この60歳定年制で雇用がいったん終了する(定年退職)ことを承知しているにもかかわらず、定年退職以降の生活や就業の計画を定年前の早い時期にきちんと立てることは、なかなか難しいのが現実のようです。ではこの難しさは何に起因するのでしょうか。そこで求められる行動特性「キャリア環境変化対応性」とはどんなものなのかを2回にわたって考えてみましょう。
CGBSのレポート一覧(https://www.cgbs.jp/home/members/reportdn.php3)の電通シニアプロジェクト「退職後のリアル・ライフIII〜団塊世代の願望調査」でご紹介しましたので、既にご存知の方も多いと思いますが、2007年に60歳となる団塊世代のサラリーマンにアンケート調査した「退職後のリアルライフII」(電通シニアプロジェクト)によれば、現在定年を迎えていない人で、60歳定年後の仕事や暮らし方を決めている人は57.8%です。定年を迎える前年であっても、4割の人はまだ仕事や暮らし方を検討中です。
定年前に十分な準備をして、豊かで生きがいのある生活をおくる為の生涯生活設計(ライフ・マネジメントプラン)の必要性は認識されていても、このように定年後の生活は、その直前まで具体的に計画するのが困難なようです。
定年が近づくまで、定年後の生活に意識が向かないのはどうしてでしょうか。次回はこの理由について考えてみましょう。