人生80年時代の生涯生活設計(9)〜電通調査レポート「団塊世代の退職後のリアル・ライフ調査」〜 |
団塊先頭ランナー(2007年に60歳を迎えるサラーリーマン夫婦)の生活イメージ・意識、消費意識・行動 |
同社の発表資料(NEWS RELEASE)に沿って、団塊先頭ランナー達の定年後の第2の社会参加意識や行動について紹介します。筆者自身が調査時点で丁度60歳を迎えていましたので、自分自身の意識・行動の分析にも大いに参考になりました。
■ 団塊世代の自負心について
1.日本経済を支えてきた
2.いつも競争してきた
3.よく頑張ってきた
■ 意識
1.65歳くらいまで働きたい人がもっとも多く、生涯現役意識が強い。
2.パソコンや携帯電話などの情報機器を自在に使いこなす。
3.人に頼るよりも自分で解決することを好む。
4.何事も夫婦でという姿勢や意識が広がっている。
・夫婦で新しいシニアライフ(第2の人生)を築こうとしている。
・退職金の使い道は夫婦で相談して決定。
■ 定年後の仕事や暮らし方
1.約60%の人が定年後の仕事や暮らし方を決めている。
2.決定に際しては約58%が本人の意見を優先しているが、夫婦で相談が32%ある。
3.就労予定者の75%は、勤務先に現在の会社を選択している。
4.全く働かない人は6%。
5.フルタイム勤務は47%に留まり、パート・アルバイトの40%は時間や勤務日数を短縮。
6.お金のためではなく、マイペースでゆとりを得るために(自己実現願望)働く傾向がある。
7.65歳位までの想定世帯年収は476.7万円
■ 定年をきっかけにやりたいことや買いたいもの
1.定年きっかけ行動の定番・旅行で、男性の一人旅指向が急増。
2.国内移住・住み替え・リフォームなど、家関連行動へのニーズが高まっている。
3.買いたいものがある人は48%で、そのうち11%がパソコンの購入を希望。
■ 定年前の準備
1.健康づくりが46%とダントツ。
2.夫の家事参加とリフォームが急増。
3.団塊世代はパソコンが難なく使えるので、これまでのパソコン学習だけのニーズは大幅減。
■ 高齢化社会(60歳〜65歳)で暮らしに対する意識
1.暮らしに夢を見るのは男性、冷めているのは女性と男女間のギャップがくっきり。
2.男女とも47%が「楽しみと不安が半々くらい」であるが、女性は不安の割合が高い。
3.特に以下のような内容に男女の特徴差がある。
・自由時間が増える:男性84%、女性30%
・夫婦の会話量が増える:男性63%、女性49%
・妻の家事時間が増える:男性12%、女性30%
・一人行動や一人時間が増える:男性45%、女性12%
この調査を担当した電通シニアプロジェクトは、株式会社電通の公表資料によれば、
−日本の人口高齢化をふまえアクティブなシニア市場開発を目的にした、約40名からなる全社横断プロジェクトで2001年2月にスタートした。調査研究、マーケティングコンサル、広告企画、商品開発・事業開発などをてがける。−
とあります。
今回の調査対象者が1947年生まれ世帯416名、調査方法がインターネット調査ではありますが、2007年からの団塊世代の大量退職を目前に控えての時宜を得た調査であったと思われます。
特に、健康で明るい豊かな自己実現のための生涯生活設計プログラムを提案しているCGBSにとっては、定年を迎える方々の生活イメージや意識、消費意識・行動を理解し、的確なコンサルティングをさせていただくのに有効なレポートでした。
読者の皆様はお気づきと思いますが、定年後の高齢化社会での個人の生き方を左右するキワードは、
■ 何事も夫婦でという姿勢や意識の広がり
■ 夢を見るのは男性、冷めているのは女性と、暮らしの特定分野での男女の特徴差
という一見矛盾するようなものです。
このレポートでは、高齢化社会(60歳〜65歳)で暮らしに対する意識として、
「暮らしに夢を見るのは男性、冷めているのは女性と男女間のギャップがくっきり。」とありました。
この男女の特徴差を効果的に組合せ、何事も夫婦でという姿勢や意識でブレンドすれば、自己の可能性を追求する費用を自助・独立で確保する独立・起業の成功エネルギーとなるのではありませんか。
次回は、団塊世代の方々の健康で明るい豊かな自己実現のために「男女の特徴差を効果的に組合せ、何事も夫婦でという姿勢や意識でブレンド」する取り組み方について、筆者の体験を事例にご紹介します。
<引用資料>
株式会社電通 コーポレート・コミュニケーション局 広報室 発行
平成18年9月13日付 NEWS RELEASE
2007年団塊世代退職市場攻略に向けた調査レポート
「団塊世代の退職後のリアル・ライフ ?」
〜団塊先頭ランナー・60歳からの選択とは〜