人生80年時代の生涯生活設計(7)〜自己実現の為の生涯生活プラン〜 |
人生の三大不安から脱却し自己実現の欲求を満たすには費用確保の手段が必要 |
生存・経済的欲求を満たすには、最低生活費が必要であることは当然です。この最低生活費が確保できなければ、貧困な生活になります。だから、生涯生活設計においてこの費用の確保は、最優先して取り組むべきものです。
しかし、生存・経済的欲求を満たすだけでは、老後の生活を豊かで充実した生きがいのあるものにするには不十分です。人間には、自我・尊厳の欲求や自己実現の欲求があり、これらを満足することが生きがいに直結するからです。
その為には、生きがいの指標としての「富」は、
富=最低生活費+α(自己実現費用)
のように、人生に自己の可能性を追求する費用であるプラスαが含まれることが必要です。換言すれば、自己実現に富は不可欠であるということです。
では、このα(自己実現費用)を確保するには、どのように計画し、実行すればいいでしょうか。基本的な考え方は、生活環境における現実的な事実や、自己の人間性の中にある「痛みや欠陥」を否定せず、これらを素直に受け入れ、人生における生きがいや充実感を求めて、勇気をもってこれらに立ち向かうことです。
そのためには、
■ 自助独立の精神で生活する
■ 自分自身の自己実現プランをもつ
現実の生活環境に適応していけるように将来の希望を織り込む
無理のないプランを考える
できるだけ早めに計画し、実行する
ことが必要です。
では、自助独立の精神で、このα(自己実現費用)を確保する手段を考えてみましょう。大別すれば、下記のようになります。
■ 再雇用・再就職
一般的に56歳〜60歳頃(向老期)までは充実
61歳〜は就業維持が精一杯
■ 独立・起業
現在〜将来まで、自分の生き方次第で充実
無理のないプランで実行できる仕事
身に付けたスキル(業務知識、営業、メールやインターネット利用etc.)を活用
できるだけ少ない資金で開業
再雇用・再就職はだれもが選択しやすい手段ですが、より最低生活費確保の手段に近いもののように思われます。独立・起業は、自助独立の精神に立脚したα(自己実現費用)の手段に沿ったものではないでしょうか。