人生80年時代の生涯生活設計(5)〜56歳頃からの第2の社会参加〜 |
ライフステージの成熟期後期・向老期にあたる56歳頃からの第2の社会参加 |
<56〜60歳頃(成熟期後期・向老期)>
この時期は、制度的定年から実質的定年によって退職するまでの時期です。第2の社会参加に向けて、定年後の進路確立と就業維持をどう選択するかがキーになります。就業維持のための選択肢には、以下のようなものがあります。
■ 第1の選択:これまで勤めていた職場での再雇用
■ 第2の選択:新たな職場への再就職
■ 第3の選択:独立・起業
以上のような3つの選択肢のなかで、誇りと生きがいを保ちながら、自主独立の満足感を得られる選択肢は独立・起業だと思います。
独立・起業は決して平たんな道ではありません。しかし、自らの努力で積極的に求めていくことによって、定年後誰に遠慮することなく、「生きがい」「希望」そして「満足感」が得られ、人生に自己の可能性を追求するのに必要な費用の確保につながります。
<61〜70歳頃(初老中期)>
この時期は、実質的定年によって退職してからの第2の社会参加期です。人生80年代の今日では、まだまだ第一線で活動できる時期でもあります。
この時期に、進路確立や就業維持の選択肢の迷いがあると、豊かな老後の生活に暗雲が漂う恐れがあります。定年前に自ら選択した就業維持の方法で、人生に於ける真の楽しみと生きがいを求める質的、精神的欲求の充足を図りましょう。
<71歳頃〜(引退期)>
■ この時期は、人生の退縮期後期にあたります。天寿を全うして第2の社会参加を終えるまで、就業維持の段階を卒業して、趣味と可能な範囲の社会奉仕に取り組む時期でもあります。
以上のように、ライフステージの成熟期後期・向老期にあたる56歳以降の自己実現のための第2の社会参加を考えてみますと、定年前の段階に於ける進路確立と就業維持の選択が、その後の豊かな生活の維持に大きな影響を与えることは想像に難くありません。
人生80年代の生涯生活設計のコア年代となる56〜70歳頃までの時期に、健康で明るい豊かな自己実現のできる第2の社会参加を実現しようとするならば、退職前のできるだけ若いうちから十分な生涯生活設計プログラムを準備しておく必要があります。