人生80年時代の生涯生活設計(4)〜人生行路(5期生説)の3つの欲求充足期〜 |
生涯生活設計を考えるための人生行路(5期生説)の3つの欲求充足期 |
そこで、人間が有している基本的な欲求に従って、人間の誰もが通過しなければならない人生行路を5つのライフ・ステージ(期生)に分けて考える「人生5期生説」から、3つの欲求充足期を紹介します。
<経済的欲求充足期(第1期・第2期生:0〜55歳頃)>
この時期は、人生の生活基盤をつくりあげていく時で、経済的基盤の確立の欲求が強く出てくる時期です。
■ 第1期生は、出生から幼児期、学生期、青春期を過ぎ、就職し結婚するまでの時期で、30歳頃まで
■ 第2期生は、結婚し手家族を構成し、子供が成長し独立していき、本人が制度的定年を迎えるまでの時期
<楽しみと生きがい欲求充足期(第3期・第4期生:56〜70歳頃)>
この時期は、人生生活が円熟し完成期を迎えます。しかし、定年後の第2の社会参加期として、人生に於ける真の楽しみと生きがいを求める質的、精神的欲求が強く表面に出てくる時期でもあります。
■ 第3期生は、制度的定年から実質的定年によって退職するまでの時期
■ 第4期生は、実質的定年によって退職してから70歳(老年)までの時期
<趣味と社会奉仕欲求充足期(第5期生:71歳頃〜)>
この時期は、通称老人といわれる高齢期にあたります。退職後の生活として自分の健康が許す範囲で、自分の趣味や社会奉仕などに生きがいを見出す時でもあります。
■ 第5期生は、人生の退縮期後期にあたり、71歳から天寿を全うするまで
以上のように、私たちの人生行路は大きく3つの欲求充足期に分けることができます。
これらのうち、人生80年代の生涯生活設計のコア年代となる第3期・第4期生(56〜70歳頃)の時期(制度的定年から実質的定年で退職する時期と、実質的定年によって退職してから70歳までの時期で、向老期〜初老期、中老期にあたる)に、健康で明るい豊かな自己実現のできる老後生活を求めようとするならば、退職前のできるだけ若いうちから十分な生涯生活設計プログラムを準備しておく必要があります。