今回ご登場いただいたのは、現役レーザーコンサルタントとして活躍されながら、アメリカ合衆国の国立公園の撮影旅行を中心とした写真撮影に勤しまれている埼玉県在住の永井達二様です。永井様は、大学で物性(CDS結晶の開発)を学ばれ、カール・ツァイス日本支社並びにキヤノン株式会社でレーザー光学の技術職に長期間従事、その後キヤノン販売株式会社での光学機器の技術サポートと販売推進を担当されました。定年後は、趣味の写真撮影を楽しみながら、有限会社上尾光学村でレーザーコンサルタントとして活躍中です。
本年8月初め、永井様が中心となって企画・運営されている「アサヒ・スーパードライ新宿店恒例の写真展示」の準備をされている最中に偶然お会いし、その際に写真展と撮影旅行のことを伺ったのがご縁で、このインタビューが実現しました。永井様との交流は定年退職される数年前からでしたが、退職後も意外な場所でお目にかかる機会がありましたので、インタビューはまるで現役時代の飲み会の雰囲気で終始しました。その際、永井様はこれまでの作品を整理され、大量の撮影データとインデックスプリントを持参して下さいましたので、編集整理がとてもスムーズに進みました。
※「アサヒ・スーパードライ新宿店恒例の写真展示」は、インタビュー本文中にも登場しますが、東京都新宿区新宿3丁目36-12杉忠ビル1Fのアサヒ・スーパードライ新宿店で1999年秋より3カ月入替で連続して展示されています。
インタビューは、まずは「アメリカ・国道ルート66撮影旅行」から始まりました。以下は永井様のお話を要約筆記したものです。(文責:CGBS高橋)
◇66歳記念のアメリカ・国道ルート66撮影旅行について
アメリカ・国道ルート66は、1926年に創設されたアメリカ合衆国の国道で、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカを結び、全長は3,755km(2,347マイル)です。アメリカ合衆国南西部の発展を促した重要な国道でしたが、1985年に州間高速道路の発達によりその役目を終え、廃線となっています。
現在では、旧国道66号線(Historic road Route 66)として、国指定景観街道(National Scenic Byway)に指定されていますが、ルートの80%以上は緻密な計画のもとに車でたどることができますので、カメラ仲間の二人を誘って男三人の「66歳記念のアメリカ・国道ルート66撮影旅行」を計画し、実行しました。
66歳を記念し、2006年6月6日AM6時6分(アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市現地時間)ジャストにイリノイ州シカゴをスタートした撮影旅行は、イリノイ州〜ミズーリ州〜カンザス州〜オクラホマ州〜テキサス州〜ニューメキシコ州〜アリゾナ州〜カリフォルニア州となんと8州3,755km(2,347マイル)を走破して、2006年6月25日AM9時近くに終着点のカリフォルニア州サンタモニカに到着しました。
ウィル・ロジャース・ハイウェイ(The Will Rogers Highway)記念碑の前で男三人が揃って万歳三唱して記念撮影し、このこだわりの撮影旅行はフィナーレを迎えました。
余談ですが、徹底して6にこだわった66歳記念の出発シーンは、運よく地元シカゴのテレビ局によって放映されるという思いがけないプレゼントが付きました。
※ウィル・ロジャース・ハイウェイ(The Will Rogers Highway)は、1952年に国道66号線協会(US Highway 66 Association)によってアメリカ・国道ルート66の「公式」な別名として定められました。
◇アメリカ合衆国の国立公園撮影旅行について
カール・ツァイス日本支社〜キヤノン株式会社から体得したカメラ撮影の楽しさを、時間に捉われないで味わいたいと思っていました。そこで、定年前から定年後の自分らしさを実現するオプションの一つとしてアメリカ合衆国の国立公園撮影旅行を計画し、同好の仲間を募り、互いの日程を調整しながらこれまでとだえることなく実行してきました。
グランド・キャニオン国立公園、モニュメント・バレー国立公園などは既に訪れましたが、まだまだ多くの撮影場所が残っていますので、これからも続けていく予定です。
前述の通り、私には「アサヒ・スーパードライ新宿店恒例の写真展示」という発表の場がありますので、自分の感性で捉えた自然の風景の魅力を伝えていきたいと思います。
◇アサヒ・スーパードライ新宿店恒例の写真展示について
定年退職を翌年に控えた1999年の秋、アサヒ・スーパードライ新宿店でカメラ仲間たちとビール片手に「イエローストーン国立公園 (Yellowstone National Park)撮影旅行」の計画を練っていました。その際、当時の店長だった平さんから、「楽しい撮影旅行になりそうですね。帰国されたら当店で展示して下さい。」と声をかけていただきました。
それまで、ビヤホールの店長と客というだけの関係でしたが、これがきっかけとなり、帰国後早速第一回目の展示をさせていただきました。展示作品は当然「イエローストーン国立公園 (Yellowstone National Park)撮影旅行」です。
それからは平店長さんのご厚意で、3ヶ月単位で展示写真を入れ替える仕組みが定着し、店長さんが交代してからもそのまま継続しています。せっかく多くの作品をもっていても、なかなか発表する場を持てないのが我々アマチュアカメラマンの悩みの種ですので、このような発表の場を提供いただいていることはとてもありがたいことです。
順不同ですが、アサヒ・スーパードライ新宿店の写真展示では、グランド・キャニオン国立公園、モニュメント・バレー国立公園、アメリカ・国道ルート66、夜のラスベガス、世界遺産「九賽溝・黄龍」、チェナ・ホットスプリングスの「天空のオーロラ」などを出展させていただきました。
◇レーザーコンサルタントとしての活動について
レーザー光学研究の経験を活用し、レーザーコンサルタントとして20年近く活動を続けています。これまでの代表的な活動は次のようなものがあります。
1.大阪大学レーザー核融合研究センター(レーザー核融合研究、高性能レーザー研究、回折格子開発、核融合燃料とその関連研究の施設/大阪府吹田市山田丘2-6)で「地上にミニ太陽を創る」ことを目指してレーザー開発研究に従事していました。
※大阪大学レーザー核融合研究センター:レーザー核融合研究、高性能レーザー研究、回折格子開発、核融合燃料とその関連研究に取り組んでいます。
2.有限会社上尾光学村にて財団法人レーザー技術総合研究所の指導で、過去に開発された技術を利用して干渉計の「測定原器」を進歩させる研究に取り組み、「透過型球面原器」=「1/40λ以上」・精度の開発・試作をしました。「レーザー核融合の技術」として開発・実行された技術を採用し、開発・結果として、世界・レーザー業界で始めての精度を得ることができました。
※財団法人レーザー技術総合研究所:1987年10月にレーザーとその応用に関する研究開発を行う全国的・国際的機関として、産業界および大阪大学を中心とした学界ならびに当時の三省庁(科学技術庁・文部省・通商産業省)の協力によりに設立されました。
◇料理とお酒について
私の健康状態は定年前と変わりません。相変わらず好きな料理とワインやビールを楽しんでいます。暴飲暴食は避けますが、仲間と楽しく語り合うのには、美味しい料理とお酒は欠かせません。
ビール好きがご縁で、アサヒ・スーパードライ新宿店さんで展示ができるようになった訳ですから、ますますお酒は好きになっていきます。
<インタビュー後記>
ワイン好きの永井さんは、インタビューの場所もアサヒ・スーパードライ新宿店を希望され、昼食をはさみながらインタビューに応じて下さいました。お好きな赤ワインを召し上がりながら、66歳記念のアメリカ・国道ルート66撮影旅行をはじめとした写真を丁寧に説明して下さいました。そして、話題が「アサヒ・スーパードライ新宿店恒例の写真展示」に移った時には、展示作品の準備の苦労話も含めて、一つのイベントをやり続けることの苦労とやりがいについて熱弁をふるわれました。
長時間にわたり熱心にインタビューに応じていただき、また沢山の資料をご準備いただいた永井様に感謝申し上げるとともに、今後のご活躍とご健勝を祈念申し上げます。