100年前、歴史の暗闇の中から臨時政府を守って未来を明した「白凡·金九 自叙伝」
金九(キムグ)1876年7月11日 ~ 1949年6月26日
号は白凡(ペクポム)、児名は昌岩(チャンアム)
金九(キムグ)先生は1876年、黃海道海州の貧しい家で出生。立身出世の虚しさを悟り、良い人になるために平等な人権を主張する東学党の接主になったり、義兵として戦闘に参加したりしたが、儒学者·高能善先生の教えで愛国心と正しい意気を悟るようになる。1896年、明成皇后弑逆事件の首謀者だと判断した日本人を殺して、死刑宣告を受けたこともある。国を取り戻す為には教育が重要だと思って、学校教育に專念するが、新民会の掃蕩作戦に巻き込まれ、17年刑を受ける。その後仮出獄し、1919年3月1日の独立万歳運動直後に上海へ行って、大韓民国臨時政府樹立に寄与する。中国では抗日独立軍を養成する傍ら、日本軍の攻撃を避けて韓国人たちを連れて疎開しながら、臨時政府を守り続けていく。解放後、反託運動によって自主的な独立、即ち、統一国家を主張したが暗殺される。
その後、大韓民国建国功労勲章(1962)を受け、南山に金九銅像(1969)が立てられる。
読者の皆様へ
<上巻>
まえがき ―仁(イン)と信(シン)、二人の子に―
第一章 私の家柄と幼い頃
第二章 数奇な運命の若き日々
第三章 放浪の路
第四章 民族に捧げた身
<下巻>
まえがき
第一章 三・一運動の上海
第二章 奇跡、長江万里の風
第三章 私の望み
民族国家
政治理念
私が望む我らの国
年譜
100年の時を越えて-亡き父に代って(柳 利須)
わたしの『白凡逸志』(上野 都)
日本人の立場からだと、白凡·金九先生はただ単にテロリストの指揮者としてみられるかもしれない。そうだとして、日本人が犯した悪行に対し当時の植民政策に携わった重要人物を狙ったことを正しかったと主張するわけでもない。
ただ私はそれより、一朝にして自分の国と言葉を失った民族がどのような人生を貫いてきたのか、そして、他国によって思いも寄らなかった苦しみを受けることになった民族がその現実をどうやって受け止め、どのように耐え忍んできたのか、その歴史的な事実を現代の日本人と共有し、正しく理解してもらいたいのである。
それを通して、今を生きる日韓両国の人たちが自国の歴史における混鈍の時代について理解し合い、お互いの国を尊重し、話し合えるきっかけにしてほしいと願っている。そうしてこそ、日韓の真の友情が芽生え、両国が共に人類愛を実践していけるようになると信じているからである。
この本の実翻訳者である父(柳義錫(リュウイソク))は、独立運動のせいで追われる身になった祖父の渡日のため、日本の山村、木曾福島で少年時代を過ごすことになった。父はその記憶をたどり、一生故郷の友だちと国境を越えた大事な友情を保って来た。それに日本文学作品を手から離さないほど日本文学が好きだった父が、人生の黄昏の時に『白凡逸志』の翻訳を決心することになるまで、どれほど自分自身と冷静に向かい合い、多くの自問自答を繰り返したであろう。金九先生が国を取り戻そうと敵にしたのは、父の故郷の日本人友だちではない。故郷の友だちも同じく戦争の被害者であると言える。金九先生が敵にしたのは、その友だちまで戦争のため竹の槍を取らせて訓練させ、敗戦後には貧しい生活に追い出した帝国主義者だったのである。
その故、父はこの本が日本の人々に韓国の歴史と韓国人の真心を理解してもらえるのに役立つだろうと判断したに違いない。
独立運動家の子孫でありながら日本への愛情も深かった父が、真の日韓の友好の手がかりとして辿り着いたのが『白凡逸志』の日本語訳である。
私はわが国が世界で一番美しい国になることを望んでいます。最も富み強大な国になることを望んでいるわけではありません。私は他国からの侵略で胸を痛めたのですから、わが国が他国へ侵略することなどは望んでいません。私たちの国の富は、私たちの生活を十分に豊かにする程度にしておき、私たちの国の強さは他国からの侵略を防ぐほどであれば十分です。ただ限りなく持ちたいものは高い文化の力です。文化の力は私たち自身を幸福にさせ、また他の人たちにも幸福を与えることができるからです。『白凡逸志』より引用
金九先生は、韓国で独立運動家として、また民族第一の指導者として尊敬されている。平民でありながら、植民地になった朝鮮を諦めず、国を取り戻すため命を差し出して臨時政府を保ってきたからである。ちょうど今年2019年は臨時政府樹立100年を迎えるようになり、韓国では金九先生を大いに記念している。その金九先生の自叙伝が『白凡逸志』であり、その一生の証言に歴史的な価値が認められて1997年、韓国の宝物第1245号に指定されている。
『白凡逸志』とは、「白丁や凡人の尊い志操」という意味である。
金九先生が日帝強占期下の苦しみに満ちた激動の時代を生きながらひたすら望んだことは、大韓民国が文化を花咲かせて人類を美しく導いていく気品のある国になることであった。『白凡逸志』は、混沌の歴史を理解し合い、さらに人類のためにやるべきのことを共にやって行くことを提案する本でもある。
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